臨床研究
臨床研究の方法のひとつに、過去の診療記録(カルテなど)を使って行う後ろ向き研究があります。この研究では、患者さんに対して新たな検査や治療を行うことはなく、すでに存在するデータを匿名化して利用します。そのため、研究への参加について、患者さん一人ひとりから直接同意をもらうのが難しい場合があります。 この点について、国が定めた倫理指針では、「必ずしも対象となる患者さん全員から直接同意を得る必要はない」とされています。ただし、その代わりに「研究の目的や内容について、患者さんに向けて情報を通知したり、公開したりし、また、できる限り参加を拒否できる機会を保障すること」が求められています。 このように、情報の公開や通知によって患者さんが参加を断れる仕組みを設ける方法を「オプトアウト」と呼びます。
京都府立医科大学心臓血管外科では現在以下の臨床研究を実施または参加しております。
ご自身のデータが研究に使用されることを希望されない場合は、各研究の担当者までご連絡ください。
テザリングによる重症二次性三尖弁逆流に対するSpinal suspention法の有効性と安全性に関する多施設共同研究(前向き観察研究)
京都府立医科大学心臓血管外科では、重症二次性三尖弁逆流症の患者さんを対象に「スパイラルサスペンション法」という新たな手術方法に関する臨床研究を実施しております。 「スパイラルサスペンション法」という形成術を行った重症の二次性三尖弁逆流症を有する患者さんの術後経過などの情報を収集し、手術の効果、また合併症などについて検討を行います。
重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋に介入した僧帽弁形成術の有用性に関する多施設共同研究
京都府立医科大学心臓血管外科では、重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症の患者さんを対象に乳頭筋に介入した僧帽弁形成術に関する臨床研究を実施しております。 当院心臓血管外科において重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症の治療を受けられた方の情報を診療録(カルテ)より取得し解析を行います。
フレキシブルバンドを用いた僧帽弁形成術は、術後機能性僧帽弁狭窄症を回避できるか
京都府立医科大学心臓血管外科では、僧帽弁形成術後の患者さんを対象に僧帽弁形成術後の機能的僧帽弁狭窄症の回避率に関する臨床研究を実施しております。 当院心臓血管外科において対象機器による僧帽弁形成術の治療を受けられた方の情報を診療録(カルテ)より取得し解析を行います。